戸倉上山田温泉
善光寺詣りの精進落としの湯として、戸倉上山田温泉は県内屈指の温泉街を形成してきた。
川面からの風を感じながら、つけば小屋を覗いたり、公園を散策したり。
滔々たる流れに寄り添う千曲市には水のある心地よい風景が多い。
若葉が一斉に芽吹く頃、うぐい(ハヤ)を捕る伝統の「つけば漁」が始まりを迎え、千曲川の周辺は一気に活気づく。
採れたて焼きたての魚が次々と運ばれる河川敷のっけば小屋は、川からの恩恵を旅人にも分け与えてもらえる貴重な場所だ。
初夏には太公望たちが鮎漁解禁を待ちかねたように川へと入り、大物を狙おうと、ここぞという場所に竿を振る。
散歩する親子連れやマレットゴルフを楽しむ人々のにぎやかな声が聞こえるのは、河川敷に整備された親水公園。
とうとうと流れる水を前に気ままに憩えるとは、なんと賛沢な時間の使い方だろう。
市の中央をゆったりと流れる千曲川は、昔からこの地の生活と切り離せないものなのだ。
夏の盛りになれば、川面をゆるがす威勢のいい太鼓の音やみこしの掛け声。
いなせな芸妓御輿や木遣りで彩られる「戸倉上山田温泉夏まつり」、大輸の花火が川をも焦がす「千曲川納涼煙火大会」など、元気のいい町衆が多い千曲市ではこの時期、日中から夜更けまで賑やかに盛り上がるのだ。
近隣には国の重要文化財を擁する寺社仏閣も数多くある。
立ち寄りスポット

智識寺
8世紀初頭、聖武天皇が建立したといわれる真言宗の名刹。高さ3m、ケヤキー木造りの十一面観音像と茅葺きの大御堂は、国の重要文化財にも指定されている。11月初旬の紅葉の頃は、特に素晴らしい風景となる。

水上布奈山神社
建御名方命(たけみなかたのかみ)を祭神とし、古くからこの地を守ってきた神社。国の重要文化財に指定されている本殿では、秀逸な彫刻が数多く見られる。なかでも「蘇鉄に兎」などは、ほかの寺社建築ではみることのできないめずらしいもの。
佐良志奈神社
允恭天皇(433年頃)の時代に創建されたといわれる歴史のある神社。志賀直哉の『豊年轟』にも描かれている。佐久間象山が文字を書いた社標も残る。tel.026・275・1753 (千曲市経済部観光課)

湯の里親水パーク
「水と親しむ」をテーマに温泉街の千曲川河川敷に整備された公園。園内中央には大きな樹木型の噴水があり、ライトアップにより幻想的に演出される。園内にはマレットゴルフ場もある。
千曲川萬葉公園
戸倉上山田温泉の南、千曲川に架かる万葉橋の袂に広がる公園。万葉集に登場する東歌や、高浜虚子、小林一茶らによる信濃を詠んだ27もの歌碑が立ち並んでいる。歌碑のボタンを押すと五木ひろしの「千曲川」が流れる。
酒造コレクション
北国街道戸倉宿の造り酒屋として栄えた坂井銘醸が、信州の酒造りの歴史を伝える資料館。立ち並ぶ母屋も圧巻。ほかに、竹久夢二の直筆画なども展示する。tel.026・275・2923(坂井銘醸)
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千曲川河畔 |