昨年から今年にかけて、長野県千曲市では平地での積雪がほとんどないくらいの状況になっています。2 月もいよいよ後半に入り、季節は春が近づいてくるような時期となってきました。
以前の記事(2020 年 2 月 2 日掲載)であんずのほかにカタクリについてご紹介しましたが、あんずよりも前に咲く花があります。それはセツブンソウです。
セツブンソウとは?
セツブンソウ(節分草)は、キンポウゲ科セツブンソウ属の多年草(複数年にわたって生存する草)で、日本のみで生息・分布されている固有種です。
本州、具体的には関東地方以西で分布し、特に千曲市は東日本におけるセツブンソウの北限にあたります。セツブンソウはその名の通り、節分の頃に花を咲かせることから名づけられましたが、それは暖地にあたり、千曲市では雪解けが進んだ 3 月中旬~下旬にかけて花を咲かせます。
千曲市でのセツブンソウの群生地は戸倉(とぐら)と倉科(くらしな)の2か所にあります。規模は戸倉が長野県下で最大級、倉科が約2000㎡ほど大規模な広さとなっています。
ただ、セツブンソウは生育地が少なく限定されていることから、日本における絶滅危惧植物のⅡ類(絶滅の危険が増大している種)に指定されています。
そのため、セツブンソウの保護を図る目的として、2006(平成18)年に市の天然記念物に指定され、2008(平成20)年にはあんずの花とともに千曲市花に指定されています。
それぞれの群生地で保全の動きがあり、戸倉では「戸倉セツブンソウを育てる会」が、倉科では「倉科の自然を守る会」が、群生地の巡視や沿道の整備などの活動をしています。
(ウィキペディア、戸倉・倉科セツブンソウパンフレットより一部引用)
2月23日現在のセツブンソウの状況
戸倉の群生地は遠目から見るとまだまだのような気がしますが…、
近づいてみると、このように一部ではありますが、花が開いてきています。本来の開花時期が 3 月中旬ですので、それよりも 3 週間近く早い形になっています。
千曲市文化財センターが花だよりとしてセツブンソウの状況を逐一発信しております。併せてご覧ください。
こんなパンフレットもあります!
セツブンソウ群生地に関するパンフレットが戸倉と倉科でそれぞれにあります。信州千曲観光局の観光案内窓口にパンフレットがありますので、一度ご覧になりたい方は案内窓口までお越しください。
セツブンソウ以外の花情報はこちら。
あんず(森地区)
ちなみに、あんずの里スケッチパークにある紅梅は一部ですが、花を咲かせていました。
カタクリ(佐良志奈神社)
あんず・カタクリともにまだこれからの印象ですが、春はもうそこまで来ているようなそんな気がします。